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zoom RSS ペッカリーの見る夢・・・第一夢:最後の十文字メール

<<   作成日時 : 2013/07/01 09:26   >>

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以前オイラの尻尾の秘密をお話ししたよね?→ http://quetzalcoatl.at.webry.info/201306/article_1.html (尻尾の秘密は結構長いから^^;、先に下にある夢の話を読んでもらってもいいよ)

その最後の部分で触れた、「眠らないはずのオイラが見る夢のようなもの」を、そろそろみんなにお話ししようね。でもそれはとっておきの話だから、面白いと思ったらみんなのお友だちにも伝えて欲しいな。ヘソイノシシは歌を歌うだけじゃなく、面白いお話もするってね(^_-)☆

しかもそれは、オイラが展示ケースの中から聞いた(目の前に立った人の心の中から聞いた過去、今、未来、しかも世界中の)ホントの物語なんだペカ^O^ じゃあまずは、昨日聞いた話から始めようね。


第一夢:最後の十文字メール

オイラ、ゆうべ夢を見た。それは昨日来館した、如何にも品の良さそうな青年の曾孫が辿る運命。もちろん未だ生まれてもいない曾孫のね。ドラマみたいに、ちょっとカッチョいい口調でお話するペカ^v^ゝ


時は西暦二千六十二年。史上初めて世界中の全ての国が批准し発効したプレトリア核軍縮協定により、人類の長年の夢は叶った。地球上での戦略核兵器及び限定戦術核兵器の使用が一切禁止となったのだ。しかし、それによって国と国との争いが血なまぐさいこの星から消え去ったわけではない。現に極東の資源大国ナプールは今も硝煙に包まれていた。平和なこの国を力づくで植民地化しようとする中央民国と、それを阻止すべく立ち上がった国連軍との激戦によって。

夢の中で見た若者の名は近衛文彦。元宮内庁警護部巡査。彼はネット上の募集広告を目にして、命を懸けてナプールの自由を守ろうと志願したボランティア・アーミーだった。ボランティア・アーミーとは、その名の通り平和維持系NGOが組織した軍隊に属する兵士の通称。文彦の所属したNGO軍は準国連軍として戦闘行為にも参加していた。しかし今、彼のいる部隊は中央民国軍の猛攻を受け窮地に陥っていた。しかも国連総会での戦略決議が遅れ、増派予定の国連正規軍の到着が早くても三日後という最悪の事態だった。

一人で五百台のロボット・ソルジャーを操るオペレーション少佐である文彦指揮下の連隊は、ワンユニットが一万二千台からなる師団の構成部隊としてナプール軍が手薄な北西国境沿いに支援展開していた。だが師団所属のロボット・ソルジャーは、相次ぐ戦闘で僅か千台足らずに激減。中央民国の二個師団二万台に四方を包囲されるという、絶望的な戦況となっていた。

そんな状況の中で文彦たちヒューマン・ソルジャーの士気を支えていたのは、NRO型爆裂弾のショックにも耐えられる最新鋭のディフェンス・スーツでもなければ、近衛兵のごとく身を呈してヒューマン・ソルジャーを守るプレミアムサポート・ロボットでもなかった。それは祖国から持参した小型通信端末MUP、マルチ・ユース・フォンだった。MUPさえあれば、どんな状況下でも家族や恋人、友人たちと交信出来た。そのおかげで、どんなに疲れ果てていようとヒューマン・ソルジャーたちには再び闘う勇気が蘇ったのだ。

NGOとは言え国連軍規の元で戦っていたため、MUPにもUN仕様の機能制限が施されていた。特に画像及び音声機能は完全に削除された。なぜなら、親しい人たちのリアルな姿や声は戦意を高揚するどころか兵士に里心を持たせ士気を落とす、とされていたからだ。前時代的なメール機能のみが残され、長時間の打ち込みが戦闘に差し支えないよう一日一通、字数も最大で十文字という運用ルールまで課せられた。もちろん全メールが検閲されたのは言うまでもない。

戦いの行方は上空から見ても明らかで、青を基調に塗装された国連側のロボット・ソルジャーを中央民国の真っ赤な軍団が何重にも取り囲んでいた。文彦のいる師団に所属していた二十名のオペレーション士官のうち、これまでの戦闘で命を落とした者は十五名。祖国へと飛ぶ十文字のメールは、今日現在で僅か五本になっていたのだ。そして恐らく明日にはもう・・・。

完全に孤立した青い陣地で閃光が走り、腹を揺さぶる爆発音がする中、一本また一本と暮れなずむ東の空に向かってメールが放たれた。そのとき夢の中で上空から様子を鳥瞰していたオイラは、メールの行く手に神経を集中させた。人の心が分かるオイラにとって、夢の中とは言え宙を飛ぶメールの中身を読むのは容易(たやす)いことなのだ。

妻宛承認メール「天で再び巡り会いたい」・・・小泉拓:少佐

両親宛承認メール「パパママの子で感謝」・・・田丸健:大尉

婚約者宛承認メール「君想い胸張り裂ける」・・・福島秀樹:中尉

夫宛承認メール「貴方の吐息が懐かしい」・・・田中美紀:中尉

長男宛承認メール「強く優しく生きろよ」・・・近衛文彦:少佐

愛する人たちへの想いを知り、今まさに消え行かんとする生命の証を目にして、土で出来たオイラの胸がかすかにふるえた。戦場から最後の十文字メールが放たれた直後に耳をつんざくばかりの爆音がピタリと止み、ただ闇と静けさだけがあたり一面を包んだ。


にんげんは、いったいいつまでこんなおバカをくり返すんだろう( . _.)?


★次の夢への入り口は、ここだよ^^ → http://quetzalcoatl.at.webry.info/201307/article_2.html

★オイラのブログ「ペッカリーの部屋」の最初のページには、ここから戻れるよ → http://quetzalcoatl.at.webry.info/

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